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フランスでスーパーの廃棄食品を寄付する法案が可決!罰則規定付きで施行

      2016/08/18

海外のスーパーマーケットの野菜

食品廃棄の問題に関する先駆的なニュースです!

フランスで、スーパーマーケットに対し売れ残り食品を慈善団体に寄付することを義務付ける法案が可決され、今年の2月から施行されたそうです!

寄付を義務付ける世界初の法律。違反に対する罰則も

廃棄食品を寄付するよう義務付ける法律は、もちろん世界初ですが、さらにすごいのは違反したスーパーに対し罰則が課せられることです。

この法律は400平方メートル以上の規模を持つ全てのスーパーに適用され、違反した場合は3,750ユーロ(約45万円)以上、最大で75,000ユーロ(約1,000万円)の罰金が課せられるそうです!

法律は2016年2月に制定され、7月までにスーパーは慈善団体と寄付の契約を結ぶことが求められます。

賞味期限が切れていても品質に問題のないものは寄付に回され、食用に適さないものは堆肥や家畜の餌に回されるそうです。

賞味期限より現実的に食べれるかを優先し、食用に適さなくても家畜の餌や堆肥として再利用するという徹底ぶりは素晴らしいですね!

これまでは廃棄食品を盗まれないよう漂白剤で溶かしてきた

残飯

Photo credit: Lunauna via VisualHunt.com / CC BY

一部のスーパーではこれまで、廃棄食品を盗まれることを避けるためにわざと腐らせたり、大量の漂白剤で溶かして下水に流したりしてきたそうです。

なんで廃棄食品を盗られたらいけないの?と思うところですが、ゴミ捨て場を荒らされることを避けるためと、健康被害が出た場合に店の信用を傷つけられるのを避けるためだそうです。

しかし、こうした状況に異を唱えた一人の政治家が立ち上がりました!

ある地方議員が署名活動で法案制定を呼びかけた!

今回の法案は、地方都市クールブヴォアの県議会議員アラシュ・デランバーシュ(Arash Derambarsh)さんによってフランス国民議会に嘆願され、見事全会一致で可決されました!

アラシュ・デランバーシュ

アラシュ・デランバーシュさん
Photo credit by Arash Derambarsh CC BY-NC-SA

アラシュさんはイラン人移民の子どもとして生まれ、法学部に通う学生時代に経済的な貧困を経験し、家賃を払うとほとんど手元にお金が残らず、毎晩パスタやジャガイモで飢えを凌いだそうです。

そんな中スーパーの食品廃棄の実態を目の当たりに、これはおかしい!と立ち上がり、自らスーパーに出向いて賞味期限切れの食品を集め、ホームレスや経済的に困窮している人たちに配ったそうです。

アラシュ・デランバーシュさんの食料配給活動

経済的に貧しい人たちに食料を配るアラシュ・デランバーシュさん
The image is clipped from:Ensemble pour dire stop au gâchis alimentaire

その後、ソーシャルメディア「Change.org」を利用して法案制定の署名活動を始め、4ヶ月の間にフランス国内で21万人の署名を集め、国民議会に嘆願書を提出。法案は2015年の5月に見事全会一致で可決され、その後憲法裁判所に審議を差し戻されるなどのトラブルがありましたが、半年後に無事再可決され、2016年の2月5日から制定となりました!

食品廃棄と貧困問題に光明。フードバンクも法案制定を支持

アラシュさんの働きかけにより制定された今回の法案には、慈善団体からも賞賛の声が挙がっており、フランスフードバンク連盟(Banques Alimentaires)のJacques Bailetさんはガーディアンの取材に対し、「最も重要なことは、スーパーが慈善団体と寄付の契約を結ぶよう義務付けられることで、(支給する)食品の質と種類を向上することができる点です。」と語り、「栄養バランスの面では、現在肉とフルーツ・野菜が不足しており、今回の法律によりこうした食品を拡充できることを期待しています。スーパーの食品は工場から直接送られてくる”ちゃんとした”食材なので、フードバンクにとってとても重要です。」と語っています。

アラシュ・デランバーシュさんの食料配給活動

アラシュ・デランバーシュさんの廃棄食品配布活動 Photo credit: Arash Derambarsh CC BY-NC-SA

今後はEU全体で同様の法案を

アラシュさんは現在、同様の法案をEU全体で制定すべく活動しているそうで、前述の「Change.org」では既にヨーロッパ中で74万人以上の署名を集めています。
「次のステップは、ホランド大統領に協力を仰いで、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会の委員長)に働きかけEU全体でこの法律を適用することです。」
「この戦いはまだ始まったばかりで、今後はレストランやベーカリー、学食や社員食堂の食品廃棄にも立ち向かわなければなりません。」と語っています。

食品が廃棄される一方、飢えに苦しむ人たちがいるという矛盾は世界共通の問題ですが、今回の法律は一歩解決へと前進する素晴らしい動きですね!
実は同様の動きは既にヨーロッパの各方面で広がっており、イタリアでもフランスに次いで世界で2番目に、廃棄食品の寄付を促す法案が可決されたそうです!
関連記事:イタリアで廃棄食品を貧困層に寄付する法案が可決!フランスに次いで欧州で2番目

民間でも同様の動きは広まっており、イギリスの大手スーパーTescoは、自社で出る廃棄食品を全て慈善団体に寄付することを発表しました。
関連記事:イギリスの大手スーパーTescoが全ての廃棄食品を寄付に回すことを発表!

誰もが考えていたこのシンプルかつ根本的な解決策が、今ようやく現実のものとなってきましたね!

日本でも同様の動きを取り入れ、食品廃棄問題に取り組んでいきたいですね!

引用記事:French supermarkets banned from throwing away and spoiling unsold food

参考記事
仏「スーパーの食品廃棄禁止」裏側には、とある地方議員の地道な活動があった・・・
仏スーパー食品廃棄禁止法、署名運動は次に欧州へ
生活困窮者に食べ物を提供するボランティア団体

Top image photo credit: notfrancois via Visualhunt.com / CC BY

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