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馬術の金メダル候補が、馬の体調を最優先に気遣い、競技を棄権!世界中から称賛が集まる

      2016/08/30

五輪を棄権したアデリンデ選手とパージヴァル

オランダの馬術選手、アデリンデ・コーネリッセン(Adelinde Cornelissen、36歳)は、これまでも数々のタイトルを手にしてきた馬術競技の金メダル候補だった。

オランダの馬術競技メダル候補のアデリンデ選手とパージヴァル

Photo by Heather Collins

彼女のパートナーは牡馬のパージヴァルで、生まれてからずっと彼女と共に歩んできた。彼らの次の目標はリオオリンピックでの金メダル。リオ五輪へ向けて、全ての準備は順調に進んでいた。

しかし、競技本番を3日前に控えたその日、厩舎に向かったアデリンデは、いつもと違うパージヴァルの様子を目にした。パージヴァルは顔が腫れ上がり、厩舎の壁を後ろ足で蹴っている。そう、彼は何らかの虫に刺され、炎症を起こしていたのだ。熱は40度にも達していた。

彼女はすぐに獣医を呼んだ。
「獣医はパージヴァルが何らかの毒を持つ虫か蜘蛛に刺されたと結論付けました。」彼女は自身のfacebookで当時のことをこう語っている。

パージヴァルは名馬だ。2012年のロンドン五輪で個人戦で銀、団体戦で銅メダルを獲得していた。
しかし、今回の状況は予断を許さない。獣医によってすぐに必要な処置が施され、顎の部位にはX線撮影が為された。
アデリンデは片時もパージヴァルの側を離れなかった。「私は彼の体温を1時間ごとに計りながら、厩舎で眠りました。彼を一人になんてできなかったのです。」

そうしてついに迎えた競技当日、幸いにもパージヴァルの熱は平熱まで下がり、顔の腫れも随分ましになっていた。通常通り食事なども行えるようになったため、アデリンデは獣医やチームと相談し、全員がGOサインを出したため、競技に出場することを決めた。

アデリンデはパージヴァルと共に競技場へ進んだが、この時彼からいつものパワーが感じられないことに気付いていた。
「競技場に入ったとき、私は彼が全力を出そうとしているのを感じました。彼はいつも勇敢な戦士で、決して諦めたことはありません。でも今回は、私が彼を守るため、競技を辞退することにしたのです。」アデリンデは自身のfacebookで当時の様子をそう語る。「友であり、相棒であり、その人生の全てを私に捧げてくれた彼に、このような形で競技をさせることなんてできませんでした・・・。だから私は敬礼して、競技場を後にしたのです。」

かくして、アデリンデとパージヴァルは棄権となった。しかし、相棒の体を一番に気遣ったこの金メダリストの行動は、世界中に感動を与え、彼女のfacebookにはたくさんの称賛のコメントが集まっている。

今回のリオ五輪では、女子5000m準決勝で、転倒した選手を別の選手が助け、特別措置で決勝進出の資格が与えられるという出来事もあった。
勝負の場であることには変わりはないが、競技より心を優先したこうした行動は、オリンピックの精神を真に体現したものかもしれない。

引用記事:Olympic rider drops out when horse is injured

Top photo credit: Adelinde Cornelissen/Facebook

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