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【パズル工法で再利用!】リオ五輪の競技場は解体され、その部品は学校や公共施設として再利用される

   

リオ五輪のマラカナン・スタジアム

オリンピックは華やかな祭りだが、閉幕後には開催都市に”大きすぎる競技場”という負の遺産を残してしまうことが問題視されている。2004年アテネオリンピックの総合運動施設は十分に活用されておらず、2008年北京オリンピックのメイン会場「鳥の巣」はサッカーの試合などがたまに行われるくらいだ。

リオオリンピックでも、リオデジャネイロ市内に多数の競技施設が残ってしまう結果が危惧されたが、ブラジルのオリンピック委員会は、「遊牧民のような建築」つまりプレハブ工法のように分解・再利用可能な建築方法を用いることで、五輪閉幕後の負の遺産問題を抜本的に解決しようとしている。

「遊牧民のような建築」でスタジアムを学校に

リオ五輪の競技場建築では、ノマディック・アーキテクチャー(遊牧民のような建築)という手法を用いた。これにより、競技場はパズルのように分解・組み立てが可能となり、解体された建築資材は別の場所へ運び新たな建築物として組み立てることができる。

リオ五輪会場の分解・再利用

IMAGE COURTESY OF AECOM

リオ五輪の基本建築計画を担当したコンサルティング会社AECOMは、五輪開催中の”オリンピックモード”に加えて、五輪閉幕後の建物再利用プランである”レガシーモード”を策定した。

実は、AECOMはロンドン五輪の基本建築計画も手がけた会社で、その際も建物の分解・再利用を前提とした建築計画を策定していた。これは、開催都市で競技場が負の遺産として残ってしまう問題に対し、対策を求める国際オリンピック委員会の声に応えた形だ。
リオ五輪ではロンドン五輪の経験を踏まえ、この「遊牧民のような建築」がさらに促進された。

多くの競技場が解体され、別の目的として再利用される

ハンドボールの競技場として使われた「フューチャー・アリーナ」は解体され、近隣のジャカレパグア地区に500人規模の小学校を4つ建設する建築部品として再利用される。
マイケル・フェルプスが金メダルを獲得した水泳会場「アクアティック・スタジアム」は、解体され2つの公共水泳場となる。
「国際放送センター」は高校の学生寮となり、半島に多数の競技場が集まり構成されている約120ヘクタールの「バハ・オリンピック・パーク」は、公共の公園や民間企業の開発地として提供される。
また、テニス会場や土産屋も解体され、他の目的に利用される見通しだ。

「五輪閉幕後に、無用の長物が残らないように計画しました。」と、AECOMの担当者であるビル・ハンウェイ氏は語る。

リオ五輪のバハ・オリンピック・パーク

バハ・オリンピック・パークの一部
Photo credit: Jeff Kern via Visual Hunt / CC BY

人や環境に優しいオリンピック

「遊牧民のような建築」は建築部品の再利用が行えるだけでなく、建設コストを抑えることができ、恒久的な部品やデザインを必要としないため環境にも優しい。
「現代のオリンピックは、これまでよりはるかに社会的・財政的責任が重視さるのです」というハンウェイ氏の言葉通り、東京五輪においても人や環境にも優しいオリンピックを期待したい。

引用記事
Olympic Buildings To Be Disassembled Like Puzzles For Public Parks and Schools

After the Games, Rio’s Stadiums Won’t Rot—They’ll Transform

Top photo credit: Around the rings1992 via Visualhunt.com / CC BY-ND

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